渚のイシズマイ

別にイシズマイが好きってわけじゃないけど

【剣盾シリーズ22シングル 最終172位 レート2013】烈火ザシアンスタン

はじめに

はじめまして、なぎかむ(@nagisa_kamuna_p)です。
普段はダブルをメインにしていますが、今回は久々のダイマ無しルールということでシングルにもチャレンジし、目標としていたレート2000を達成できたので記念に記事を書くことにしました。
ありきたりな構築ですが、その分使用感や自分なりに考えたことを詳細に書いたつもりです。
初めての構築記事、それも普段あまりやらないシングルの記事ということもあって、拙い部分もあると思いますが、少しでも参考になれば幸いです。
  
※長文になってしまいましたが、忙しい人は太字部分の付近を読んでいただければ大まかにわかると思います。たぶん。

戦績


TNむかぎな
シリーズ22シングル 最終172位 レート2013

構築経緯


7世代以降シングルをやっていなかったこともあり、よく理解していない環境にメタを張るよりも、環境関係なしに強力な構築を使う方が勝てると考えていました
そこで目を付けたのがザシアンです。いくつか他の禁伝を試していたのですが、どの構築においてもザシアンとその取り巻きの対策に悩まされていたので、じゃあ自分で使ってやろうというのがきっかけでした。ザシアンの強さは言うまでもないと思いますが、火力、耐久、素早さ、技範囲とどれをとっても高水準で、受かるポケモンはその高火力と技範囲を考えると片手で数えられるくらいしかいません。これにより、・選出画面での圧力が高く、相手の選出が読みやすくなる ・不利対面が少ないのでとりあえず出しておけば活躍してくれる ・どうすれば通せるかプランを立てやすい、といった要素が、シングルの経験の少なさをカバーしてくれると考えました。

ザシアン入りの構築記事を読み漁り、その中で特に強力だと思ったのがウオノラゴンと組み合わせたザシアンでした。2匹とも高火力物理のポケモンですが、相性補完が良く、それなりに耐久があり、そしてザシアンが苦手とするポケモンたちにウオノラゴンが強いというのが何よりの決め手です。この2匹を受けられるポケモンはほぼ存在しません。

ウオノラゴンザシアンまで決まったところで、悩んだのがミラーの対処です。当然強い並びなので他の人が使わないわけがありません。そこで、ミラーに強いウオノラゴンザシアンを作ることにしましたポケモンは基本的に上を取れば勝てるゲームであり、この2匹は相手の上を取ることでミラーに勝てるようになります。構築記事を読み漁っていると、ウオノラゴンは準速、ザシアンはいじっぱり耐久振りが多いことに気付きました。そこで、ウオノラゴンを最速にし、特性を砂かきにすることで確実に相手のウオノラゴンの上を取りつつ、ザシアンも可能な限り素早さを伸ばすことにしました。砂かき採用ということで、砂を撒きつつ、ステロあくびふきとばしによる削りができて、さらには相手のザシアンに対しても対面で勝てるカバルドンを採用しました。いわゆるカバザシノラゴンの並びとなります。

このままだとメタモンが重いので、サンダーを採用しましたせいでんき、ほうでんで構築に自然と上振れ要素が入るのが強いです。相手のザシアン構築により強くなるのも魅力的でした。

ここまでで重い(環境でよく見る)ポケモンは、ムゲンダイナ、カイオーガ、黒バドレックス、ヒヒダルマです。
ムゲンダイナに関しては、他の構築を使っているときにみらいよちが有効だと感じていました。そこで、みらいよちを覚え、ムゲンダイナだけでなくカイオーガに対しても強い原種ヤドキングを採用しました。ウオノラゴンを選出しなくても、ザシアンが苦手とする受けポケモンたちに強いのが偉いです。

あとは黒バドレックス、ヒヒダルマについてですが、とりあえず対策としてHBポリゴン2を採用していました。受け出しして有利対面を作った後のでんじはによるS操作が優秀でしたが、火力が足りず、また、黒バドレックスに関してはサイコキネシスを持った個体が増え、受かるとは言いづらい状況になっていました。カバルドン、サンダー、ヤドキングと受け気質なポケモンが多く、構築全体として相手にかける圧力が足りなくなるのも問題でした。そこで、上からこれらのポケモンを殴ることを考え、悪ウーラオスを採用しました。少し重めだったスカーフカイオーガの上から殴れるのも個人的には気に入っていました。
こうして構築が完成しました。

個別解説

ザシアン

持ち物:くちたけん 
特性:ふとうのけん
技:きょじゅうざん、じゃれつく、ほのおのキバ、ワイルドボルト
実数値:179-244-135-×-135-189 (H92,A252,S164 いじっぱり)

HB:特化ザシアンの+1きょじゅうざんを最高乱数切って耐え
S:最速エースバーン抜き

基本的にはこのポケモンを通すことを考えます。技範囲を広げているので1匹で広い範囲を見ることができ、突破できない受けポケモンは限られていることもあって、その方がプランを立てやすかったです。アタッカーの割に耐久が高く、不意のスカーフ持ちの攻撃でも普通に耐えます。ただし、ゴツメやまきびし、自身のワイルドボルトなどの定数・反動ダメージで削られやすいので、過信は禁物です。また、耐性も優秀なのでサイクルに参加させやすく、特に後述のヤドキングとのサイクルは崩し性能も高く強力でした
技について、最高打点かつミラー意識の「きょじゅうざん」、一致打点かつ通りがよく、環境に多いサンダーを2発で倒せる「じゃれつく」は確定で、残りの2枠はハッサムナットレイギルガルドヌケニン意識で「ほのおのキバ」ドヒドイデ、原種ファイヤー、ウルガモスなど意識でワイルドボルトを選択しました。このポケモンで見れる範囲を少しでも広げるため、このような技構成になっています。特に、ワイルドボルトを切ってしまうと、ドヒドイデについてはカバザシノラゴン選出ができなくなり、また、この構築で重いウルガモスにさらに隙を見せることになってしまうということもあり、この構築には必須だったと思います。ほのおのキバに関しては、ヌケニンハッサムギルガルドを思ったより見なかったこと、出てくるナットレイがほとんどたべのこし持ちだったことから、ヒードランを見ることができるようになる「インファイト」も候補でした。4桁まではヒードランが出てこなかったので気にしていませんでしたが、3桁帯ではかなりの頻度で選出されて苦しむことになったので、次使う機会があればインファイトの方を採用すると思います。
サンダーへの接触回数を減らせたり、タイプ相性を無視して受けを崩せるようになる「つるぎのまい」、対面性能を高め、ザシアンミラーでより有利になる「でんこうせっか」も候補でしたが、少しでも技範囲を広げたいことからこれらの技は不採用としました。でんこうせっかを採用しなかったせいで、ザシアンミラーではSが有利にも関わらず毎回相手のでんこうせっかに怯えることになりましたが、一度も当たらなかったので結果的には正解だったのかなと思います。
努力値について、Aは少しでも相手に負担をかけるため特化。耐久はザシアンのきょじゅうざんをほぼ耐えるラインまで確保して、余った努力値で残りを考えていきました。Sについて、前期のザシアン構築を可能な限り読み漁り、ほとんど抜かれないであろうラインを探した結果、面倒な最速エースバーンまで抜けるよう設定しました。これでちょうど努力値がぴったり振れたので、最後までこの調整で使っていましたが、正直要改善だと思います。ここまでSに振るとザシアンミラーで抜かれたのは片手で数えられるくらいでしたが、環境に思ったよりエースバーンがいなかったこと、また、スカーフメタモンにコピーされたときに後述する砂かきウオノラゴンまで抜かれてしまうことを考えると、+1でウオノラゴンが抜けない最速エルフーン抜きまで落とした方がいいです。また、Aについても、B特化ランドロスに対する乱数は変わらない実数値242まで落とし、余った努力値を耐久に振ってザシアンのきょじゅうざんを確実に耐えるようにすべきでした。実際それで一度負けましたし、ザシアンの強みである耐久を削ってまでそこまで振るメリットがないです。


ウオノラゴン

持ち物:いのちのたま 
特性:すなかき
技:エラがみ、りゅうせいぐん、がんせきふうじ、みがわり
実数値:165-142-108-90-101-139 (A252,D4,S252 せっかち)

高い素早さから高い火力を押し付けていきます。ザシアンではなく、このポケモンを通していくことを考えてプランを立てることもありました。相手のウオノラゴンの唯一の対策枠でもありますそのため、ミラーに強い構成としました。
特性は「がんじょうあご」にすると受け崩し性能が格段に上がるので候補ではありましたが、ウオノラゴンミラーを重く見て「すなかき」を選択しました。現環境にいるウオノラゴンの型の中では最も素早く、スカーフ持ちや、積んだ相手の上から殴ることもできます。ミラーでは相手がすなかきスカーフのような変態型でない限り、最悪同速勝負をしかけられるのも魅力です。
持ち物は撃ち分けができ、かつ火力の上がる「いのちのたま」です。後述するりゅうせいぐんで相手のウオノラゴンを倒すためにも必須です。
技について、受けを崩し、負担をかけるための「エラがみ」は確定として、ザシノラゴンミラーを想定してりゅうせいぐんを採用しました。「げきりん」もミラーへの打点になりますが、そのまま引かれたときに、相手に隙を見せることが気になりました。それの対策として「ドラゴンダイブ」もありますが、ウオノラゴンをウオノラゴンで見なければならないこの構築では外しによるディスアドバンテージがあまりに大きいので、命中不安なドラゴンダイブも候補にはなりえませんでした。これらに対し、りゅうせいぐんは1割さえ引かなければ相手のウオノラゴンを確実に仕留められるほか、引かれてC下降したところで物理メインのウオノラゴンには痛くなく、起点にされることもないのが強みです。また、この構築に絶対と言っていいほど選出されるメタモンについても、こちらのりゅうせいぐんで相手のメタモンは確定一発なのに対し、相手のりゅうせいぐん+珠ダメージをこちらは7割近くで耐えるので、メタモンに強く出られるのもポイントです。残りの2枠には「がんせきふうじ」「みがわり」を採用しました。みがわりは有利対面で貼ったり、ふいうちなどを透かしたりするのによく使いました。がんせきふうじはSを下げて砂ターンが終わっても上を取り続けるために採用しました。時には後発のために撃つこともありました。この2枠はナットレイに強くなる「けたぐり」や壁を破壊できる「サイコファング」でもいいと思います。
努力値について、火力を可能な限り上げて圧力をかけたいのでAは極振り、Sはミラーを意識して最速にしました。ウオノラゴンミラーではまず負けませんでした。環境にいるポケモンは準速を意識した調整が多く、時にはゼルネアスを抜くこともありました。性格は、りゅうせいぐんで相手のウオノラゴンを倒すためにCではなくBに下降補正をかけています。いろんな方の記事を見ると、りゅうせいぐん採用のウオノラゴンはDに下降補正をかけていることが多かったですが、メタモンを意識するならB一択かなと思いました。役割対象の相手のウオノラゴンのエラがみは、これでも十分耐えるので問題なかったです。強いて言えばイベルタルのふいうちが痛かったですが、それ以上にウルガモスが重いので、C+1むしのさざめきを高確率で耐えられるDを削りたくありませんでした。ちなみに余り4はDに振るとむしのさざめきの乱数が変わるのでDに振っています。すなかきA無補正命の珠は、がんじょうあごA特化鉢巻に比べると貧相な火力ですが、その分、上を取れる相手が多い(=エラがみを2倍で撃てる相手が多い)のでどちらにも魅力はあると思います。また、受けを崩す高火力アタッカーとしての火力は十分にあったので問題はないと考えました。


カバルドン

持ち物:オボンのみ
特性:すなおこし
技:じしん、ステルスロック、あくび、ふきとばし
実数値:214-132-176-×-104-57 (H244,B172,D92 のんき ※S個体値24)

H:しぜんのいかりでオボン発動のため偶数
HB:特化ザシアンの+1きょじゅうざんが55.1~65.0 %(オボン込みで22.51 %で2耐え)、A222ザシアンの+1きょじゅうざんが50.5~59.3%(オボン確定発動。オボン込みで2耐え)
HD:C197ムゲンダイナのダイマックスほうが50.5~59.3%(オボン確定発動。オボン込みで2耐え)、無振りムゲンダイナのダイマックスほう2耐え
S:最遅ラグラージ抜かれ、4振りドヒドイデ抜き

「すなおこし」で砂を撒くポケモンです。雑に投げて砂やステロでダメージを稼ぎ、ザシアンやウオノラゴンの圏内に入れるのが目標です。削りたい相手を必要なだけ削ることを最優先に技を選択していきます。体力が減った後は、安易に切らず、たとえHPが1でも裏に引いて温存します。この動きが重要で、このポケモンの本質は前述したとおり砂を撒くことなので、受け出ししてすぐに倒れても、ウオノラゴンの砂かきをもう一度発動させ、定数ダメージを入れ、さらには死に出しの盤面を作ることができるので倒れた後も仕事ができます。選出しなくても、カプ・レヒレが初手に出てきやすくなるなど、選出が読みやすくなって有利対面から試合を始めることができるようになる点もこのポケモンの強みです。
前述のように生き残って最後まで役割を果たすため、持ち物は場持ちがよくなる「オボンのみ」を持たせました。ザシアンにも対面で勝つことができるようになります。
技について、無振りでも十分な火力を出して大きく削りを入れることができる「じしん」、定数ダメージを稼ぎ乱数をずらすためのステルスロック、ステロと合わせることで圧をかけることができるようになる「あくび」、強引に交代させてステロと砂の削りを入れたり、積み展開を阻止する「ふきとばし」と、よく見る構成になっています。何度も言いますが、このポケモンの役割は削りたい相手を必要なだけ削ることなので、ステロを撒かなくていい場面なら無理に撒く必要はないです。ステロはあくまで削りたい裏のポケモンまで砂が届かなさそうと思ったときや、余裕があるときなどに使います。ふきとばしの枠を「なまける」にした型もありますが、強制的に交代させて削りを入れる、積みアタッカーを流すほか、メタモン入り構築に対してザシアンを選出したいがサンダーを選出できないときに、ザシアンをコピーされた後に、対面から一発耐えてメタモンを流す役割もあるのでこの構築ではふきとばし一択になると思います。どうせHB特化にしてもザシアンが受かりません。
努力値について、物理だけでなく特殊ポケモンとの対面も想定して、ほどよい感じの調整をどこかから拝借してきました。物理特殊関係なくだいたいの攻撃を2発耐えるので、温存してクッションとして使う役割が果たしやすかったです。Sに関しては、ラグラージがいなかったので普通に無補正無振りでもいいと思います。その場合、麻痺した準速ヒードランを抜けるようになります。


サンダー

持ち物:アッキのみ
特性:せいでんき
技:ほうでん、ぼうふう、はねやすめ、みがわり
実数値:189-×-150-145-110-129 (H188,B252,S68 ずぶとい)

H:余り
S:準速ウオノラゴン抜き抜き

ザシアンを選出するとき、相手にメタモンがいればほぼ必ず一緒に選出します。また、地味に重めなウーラオスにも強く、ザシアンが苦手とするヌオーやウインディも突破できる可能性があるポケモンなので、カバノラゴンが出しにくいときなどに、ザシアン、メタモン以外相手にも選出することがありました。
持ち物は、相手のザシアン、メタモンを確実に止めてもらうために、また、このポケモンで詰めることを勝ち筋とするために「アッキのみ」を選択しました。
技について、電気技は、相手のザシアンなどを後発のアタッカーの圏内に入れるほんの少しの削りのために使うことが多く、また、追加効果による上振れが強力なことから、威力の高い「10まんボルト」ではなく「ほうでん」を採用しました。「ぼうふう」の枠は命中安定な「ねっぷう」を採用している人も多いですが、ザシアンが苦手とするヌオーなどを突破できる可能性があり、雑に混乱による上振れまで狙えることを考えると、この構築ではぼうふう一択だったように思います。「みがわり」はこのポケモンの詰め性能を高めるのに必須でした。これと合わせ、特性を「プレッシャー」にすればPP枯らしを狙えますが、先述の通りザシアンとメタモンを見るために採用しているので、羽休めで粘っているだけで相手が麻痺になるせいでんきの方が合っていると思います。
努力値について、構築記事を読み漁っていると物理受けサンダーは準速ウオノラゴン抜きにしていることが多く、それらを抜くために一般的な調整からSを1だけ上げてみました。3桁後半以下では物理受けサンダーミラーで上を取られたことはありませんでしたが、たまに当たる2桁付近の強者とのミラーでは同速or上を取られていることが多かったので、考えることはみんな一緒のようです。ただ、ここまでSに振ると、特化ザシアンのじゃれつくが(低乱数ではありますが)受からなくなる可能性があったので、できる限りその確率を下げるためにBを特化させてHを削りました。1、2回ほどザシアンに突破されてしまうこともありましたが、それ以上に準速ウオノラゴンを抜いていたことで勝った試合の方が多かったので、Sは最低でも準速ウオノラゴン抜きまでは振った方がいいと思います。


ヤドキング

持ち物:とつげきチョッキ
特性:さいせいりょく
技:みらいよち、サイコキネシスくさむすびかえんほうしゃ
実数値:201-×-100-159-130-59 (H244,C196,S68 ひかえめ)

H:奇数、さいせいりょくの効率最大
C:余り
S:最遅60族抜き、4振りヌオー +3

ムゲンダイナ、カイオーガなどの対特殊禁伝、兼みらいよちによる受け崩し枠として採用しました。
眼鏡ムゲンダイナ、雨下カイオーガに受け出すことを想定しているので、持ち物は特殊耐久を上げるとつげきチョッキです。
似たような役割を持てるラティアスも候補でしたが、チョッキ持ちであるにも関わらず回復手段を持てる「さいせいりょく」が強力なのでヤドキングの方を採用しました。
技について、「みらいよち」は絶対必要です。よほどの不利対面でない限りはとりあえずみらいよちを設置してから行動を考えます。持ち前の特殊耐久と再生力との相性が良く、ヤドキング受け出し→みらいよち設置→裏に引く、という動きを何回もでき、これで相手のサイクルを簡単に崩すことができました。元々ザシアン+ウオノラゴンによる受けの破壊を目指す構築でしたが、ヌオーが見えたときはこいつを優先的に選出するくらいにはみらいよち+ザシアンの動きが受けに対して強かったですサイコキネシスは、エスパー技がみらいよちだけだと思って油断して突っ張ってきたムゲンダイナなどを咎めるのによく使いました。「サイコショック」ならヤドキングを受けによく出てくるラッキーに多少は強く出られますが、B特化にHまで振られているとみがわりがどうせ破壊できないこと、崩したいムゲンダイナやヌオー、ドヒドイデなどがHBに厚いことを考えると採用する理由がありません。くさむすびは対カイオーガに必須で、だいたい5割程度入ります。ヌオーは確定一発です。かえんほうしゃカイオーガ構築でよく一緒にいるナットレイ、ムゲンダイナと一緒にいるテッカグヤなどを見るために採用しました。水技を切ってしまったために、ただでさえ重いヒードランにさらに弱くなってしまいましたが、切れる技がないので割り切りました。
努力値について、相手の特殊技を受けるためにH振り。眼鏡カイオーガまで考慮するのであればDにもっと大きく振る必要がありますが、眼鏡カイオーガはザシアンで上を取れるのでどうにかなるだろうと考えていたこと、また、何より受け崩し性能が落ちてしまうことから、あとはできる限りCに振りました。Sはヌオーを崩すために絶対抜かれないよう多めに振りました。それでもトリトドンが抜けていなくて地味に重かったので、Hを削ってSをあと2だけ上げてもよかったかもしれません。


ウーラオス いちげきのかた

持ち物:こだわりスカーフ
特性:ふかしのこぶし
技:あんこくきょうだ、インファイト、とんぼがえり、ストーンエッジ
実数値:175-182-120-×-81-163 (A252,D4,S252 ようき)

黒バドレックス、カイオーガ、日食ネクロズマヒヒダルマなどに選出していきます。これらの構築のみに選出するつもりでしたが、汎用性が高いので雑に選出することがときどきありました。
元々この枠はHBポリゴン2だったのですが、他のポケモンに比べると圧力という観点でどうしても見劣りし、役割対象のはずの黒バドレックスはサイコキネシスだったりメガネだったりで安定せず、ヒヒダルマにはつららおとしで怯まされ、日食ネクロズマに対してもコスモパワーを持っていると勝てず怪しかったので、思い切ってこれらのポケモンこだわりスカーフを持たせて上から殴ることにした結果、うまく噛み合いました。
技について、黒バドレックスを一発で倒せ、確定急所でコスモパワーを積んだ日食ネクロズマを貫通できる「あんこくきょうだ」、無難な一致技のインファイト、対面操作が可能な「とんぼがえり」、サンダーを触らずに突破するためのストーンエッジとしました。基本的にはあんこくきょうだととんぼがえりしか撃ちません。
努力値について、ヒヒダルマを抜くために最速にし、あとは火力を少しでも高めるためにAに振りました。耐久が低く、役割対象の攻撃はだいたい確定2発、または受け出しができないので、なるべくカバルドンなどのクッションを用いて上手く対面を作ってやる必要があります。また、最速にしたせいで火力不足に悩まされることが多かったです。具体的にはHB特化サンダーにあんこくきょうだが半分入りません。
この枠は要検討だと思います。

選出

基本選出



ザシアン+ヤドキング
ザシアン+カバルドン+ウオノラゴン
「ザシアン+ザシアン受け破壊枠」が基本選出となります。ヌオー入りにはだいたいヤドキングの方を出していました。初手はカバルドンのおかげで読みやすくなっているので、それに合わせて決めます。だいたいザシアン、カバルドンヤドキングのどれかですが、ヒヒダルマ入りはウーラオスも候補に挙がってきます。
  
以下の選出はあくまで一例です。こういった選出が多かったというだけで、当然ですが状況に応じて選出するポケモンは変わります。

対黒バドレックス


カバルドン+ウーラオス+ザシアンorウオノラゴン
黒バドレックスのタスキを潰しに行くためにカバルドンを初手に置きます。ウーラオスも確定として、残り1枠はザシアンかウオノラゴンをよく選出していました。ウーラオスをどれだけ大切に扱えるかが勝負になります。強化アイテム無し黒バドレックスの+1アストラルビット程度ならウーラオスは1発耐えることを覚えておくとよいです。交代読みドレインキッスをケアするためにもカバルドンを上手くクッションにしてウーラオスと対面させていました。

カイオーガ


ヤドキング
ヤドキングは確定で選出します。残りの2枠はサンダー以外から選出することが多かったです。カバノラゴンの並びもよく出していました。初手はカバルドン、ウーラオスのどちらかが多かったです。

対ムゲンダイナ


ヤドキング+ザシアン+カバルドンorウーラオス
ムゲンダイナを見たらとりあえずヤドキングを初手に置きます。これは受けループ型でもアタッカー型でも同じです。だいたい初手はムゲンダイナが出てくるので、そこからみらいよちで負担をかけていきます。だいたいのムゲンダイナはザシアンが上を取れると思っていいです。交代読みの炎技には気を付ける必要があります。

対ゼルネアス


ザシアン+カバルドン+ウオノラゴン
実はかなり苦手な部類の構築です。だいたいメタモンウルガモスとオーロンゲのうち2、3匹が同居していました。ゼルネアスがザシアン以外だと突破が難しいことと、メタモンがいることを考えるとサンダー+ザシアンを選出したくなりますが、するとウルガモスが重くなるので、カバルドン+ウオノラゴンで頑張ります。初手はザシアンを雑に投げて、ウオノラゴンの一貫を作るよう試合を進めていくことが多かったです。

対日食ネクロズマ


ザシアン+ウーラオス+サンダー
かなりきついです。初手はだいたいレヒレが出てきました。ネクロズマに対してはサンダーで運ゲを仕掛けます。麻痺を上手く引いてウーラオス圏内に入れて押し切ります。ウーラオスで倒せなかったら負けです。正直未だに正解はわかりません。

重いポケモン

サンダー

ザシアンのじゃれつくで2発で倒せるとはいえ、常にせいでんき麻痺の勝ち筋を残してくるのがつらかったです。また、突破できるポケモンがザシアンしかいなかったのも問題でした。特にこの構築のザシアンは耐久より素早さに比重を置いた型になっているため、麻痺によるS下降がかなり痛手になります。カバルドンなどで可能な限り削りを入れて、接触回数を減らすことが大切です。

メタモン

ザシアン+サンダーの選出、あるいはザシアンコピー後に対面からカバルドンのふきとばしで対応できるため、単体では気にするほどではないですが、ザシアンを選出する必要のある相手(ゼルネアスなど)と組まれていると厄介です。逆に言えばザシアン+サンダーの選出を強要される、カバルドンのHPを温存することが必要になるということなので、立ち回りがかなり窮屈になります。ザシアンを選出する必要のない構築(ザシアン+メタモンなど)ならばむしろカモになるので、このポケモンを見たらザシアンの選出は控えていました。

ヒヒダルマ

伝説並みの圧力を持ったポケモンです。このポケモンがいるだけで初手ウーラオスを強要されます。ウーラオスも簡単には受け出しできないので、立ち回りの面でもかなりシビアな戦いになります。

ウルガモス

隙を見せると全部破壊されます。カバルドンの前に出してきたらまずはふきとばしを選択するようにしていました。

ヒードラン

ザシアンがインファイトを持っていなかったことによる弊害その1です。カバルドンとウオノラゴン以外明確な打点を持っていないので、処理が遅れます。

ヒートロトム

ザシアンがインファイトを持っていなかったことによる弊害その2です。ウォッシュロトムはステロで削りを入れてからザシアンのじゃれつくでまだなんとかなりますが、ヒートロトムの方は打点に乏しいので、その隙に鬼火やリフレクターを貼られたりなど好き放題されます。幸い数値は低いため、サイクルの中で削りを入れればザシアンでも割と突破は可能です。

ウインディ

このポケモンに関しては、ザシアンがインファイトを持っていても突破は厳しいと思います。ヌオーと異なり、特殊方面の数値は低くないため、ヤドキングによる崩しが難しいです。だいたいトリトドンと同居しており、また、交代際に鬼火を撒いてくることが多かったため、ウオノラゴンによる突破も厳しかったです。

日食ネクロズマ

まず勝てないと思った方がいいです。ウーラオスのあんこくきょうだでも半分入らないことがあります。サンダーの麻痺での突破を狙うしかありません。おそらくこの環境で最強のザシアン対策枠だと思います。

化身ボルトロス

カバルドンに強く、裏のアタッカーに確実に麻痺を入れられるのがつらかったです。最悪、相手の構築に刺さっていなくてもサンダーを選出して、無理やり突破していました。サンダーと違って、HB特化でもウーラオスのあんこくきょうだで2発で倒せるので、ウーラオスでも見ることができます。

タスキカウンター持ちのポケモン全般

見えないところからいきなりザシアンやウオノラゴンが倒されます。明らかに刺さってないのに出てきたポケモンはカウンターを疑った方がいいです。

おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。可能な限り詳しく、また、少しでも読みやすいように自分なりに工夫したつもりですが、「読みにくい」「この部分が何を言っているのかわからない」「○○が書いていないがどう対処していたのか」などの意見・質問があればDMなりコメントなりでいつでも受け付けているので気軽にどうぞ。また、使ってみたいという方はレンタルチームも作ります。
  
余談
ここまで長々と書きましたが、実はこの構築には上位互換が存在します。レンタルチームを出していないのはそのせいです。その構築については勝手にURLを貼るのも気が引けるので、並びだけ言っておくとこの構築のカバルドンバンギラス、ウーラオスマンムーになっているものです。ぜひそっちの方も読んでください。読み得です。
レート2000を達成したこともあり、この構築に割と自信はあったのですが、構築の名前を考えているときに、たまたま目にしたその記事がまさに僕の求めていたもので、そこからいきなり自分の構築がその「劣化」に見えたことから、そのままだとネガティブなので「烈火」ザシアンスタンとしました。実際この構築が強いかと言われれば、1950あたりでずっと停滞していて、急に上振れはじめて偶々2000に乗ったようなものなので、その方の構築に比べれば大したことはないと思います。しかし、まぐれでも2000に乗れたのは本当に嬉しいです。6世代で一度2000チャレに失敗して、そこからずっとシングルで勝てずに7世代でダブルに逃げたようなものなので、ようやくこれでシングルから気兼ねなく引退できることになってほっとしました。おそらく今後はダブルしかやらないと思います。
ちなみにこの構築記事、気付いてる方もいらっしゃると思いますが、ダブルで超有名な方(僕が最も尊敬している人です)の記事を参考にというか丸パクリしています。不快に思う方がいればごめんなさい。問題があれば全部書きなおします。
満足する結果が残せたら記事を書こうと思っていたのですがまさかシングルが初めての記事になるとは思いませんでした。
次はダブルの記事が書けるようがんばります。